胸部CTについて
X線断層撮影により、肺がんをはじめとする胸部の病変の有無を調べる検査です。胸部X線検査では心臓や骨などに隠れて見えづらい部分も鮮明な画像で見ることができます。
肺の断面図
主な所見
石灰化巣/硬化巣/陳旧性陰影
細菌やウイルスなどによる炎症の痕跡です。比較的程度の小さいものを石灰化巣、大きいものを硬化巣といい、これらを合わせて陳旧性陰影といいます。一般的に気づかないうちに治ったものがほとんどです。
胸膜肥厚
細菌、ウイルスや花粉症などによる炎症が治った跡です。炎症が治癒して胸膜が少し厚くなっている部分があることを示しています。
胸膜癒着
肺を包む胸膜に炎症が起こり周囲に癒着した跡です。過去の胸膜炎、肺感染症などが考えられます。
気管支拡張症
気管支が拡張した状態です。時々炎症が加わる場合もあります。
気管支炎
タバコを吸う方に多い所見です。気管支の炎症による気道分泌(咳・痰)亢進を特徴とする疾患です。
過膨張肺気腫(COPD)
タバコをたくさん吸う方に多い所見で、息切れが強くなります。
ブラ(肺嚢胞)透亮像
肺胞が拡張、癒合して小さな風船のようにふくらんだ状態をブラ(肺嚢胞)といい、そのX線所見を透亮像といいます。小さなものは問題ありませんが、大きい場合は経過観察や治療が必要です。これが破れると自然気胸を起こします。
心拡大/心陰影拡大
主として心臓の拡大を示します。肺の横幅に対する心臓の横幅の割合(心胸比)が50%を超えている状態です。心臓の病気や年齢、体格によってもみられることがあります。
大動脈弓突出
主として動脈瘤や動脈硬化などで大動脈弓の突出した状態を示しています。