腹部超音波について

超音波を使用し、腹部の状態を調べる検査です。対象となる主な臓器は、肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓で腫瘍、ポリープ、炎症、結石などの異常を発見できます。

主な所見

嚢胞

嚢胞とは、液体の貯まった「ふくろ」のようなものです。肝、腎、膵、脾などの臓器に発生し多発することもあります。無症状、無害、病的意義のないものがほとんどですが、大きなものは治療が必要となることもあります。

胆嚢ポリープ

胆嚢ポリープは超音波検査で偶然に発見される場合がほとんどです。コレステロールポリープがほとんどで、コレステロールの塊が胆嚢にくっついていると考えると良いでしょう。急速に増大するものや1cmを超えるものはがんや腺腫の可能性がありますので、経過観察をおすすめします。

胆嚢結石（胆石）

人間ドックでの無症候性胆石の発見率は3〜4％といわれています。ほとんどが無症状ですが、上腹部や右側腹部に痛みを認めることがあります。症状が現れた場合は手術が必要ですが、症状のないものは経過観察をおすすめします。

脂肪肝

肝臓の細胞の中に脂肪がたまった状態をいいます。主な原因は過度の飲酒や肥満、糖尿病などです。減酒や減量により徐々に普通の肝臓に戻っていきますが、そのまま飲酒や食生活の改善がされないと、いずれ肝障害を起こし肝硬変に進行する恐れがあります。経過観察をおすすめします。

肝血管腫

血管腫とは細い血管が無数に絡みあって出来た腫瘤状の塊で、肝臓にできた「アザ」のようなものです。肝臓には多くの血管が集まっているため、特にできやすく、これを肝血管腫と呼びます。良性の腫瘍で症状もなく、特に病気として治療する必要はありません。しかし、稀に他の腫瘍と区別できないこともありますので経過観察をおすすめします。

腎結石／尿管結石

腎臓や尿の通る道（尿管）にできる結石のことです。多くは尿がたまる腎杯や腎盂、尿の通り道の尿管、膀胱などにできます。砂のように小さいものから、腎盂全体を占める大きなものまであり、一個だけでなくいくつもできることがあります。痛みなどの症状がなければ経過観察をおすすめします。