脳MRIについて
脳全体の詳細な断面像を撮影します。まだ自覚症状が現れていない小さな脳梗塞や脳腫瘍、脳出血などを発見することができます。また、その発生部位や大きさなどが詳しくわかります。
脳の部位
主な所見
加齢性変化
年をとると顔にシワやシミができるのと同じように、脳も少し萎んだり、シミができたり、血管が蛇行したりしますが、これらの所見をまとめて加齢性変化と呼んでいます。病気ではないので、問題ありません。
慢性虚血性変化
年をとると脳も少し萎んだり、シミができたりしますが、脳のシミが少し目立っている状態です。進行すると脳卒中の危険因子になると考えられています(危険比率2.0〜2.7倍)。これ自体を治療することはできません。背景に高血圧など他の病気が隠れていることもありますので、健診で指摘された他の問題点について、改善するように努めてください。病変の程度によっては経過観察をおすすめします。
陳旧性ラクナ梗塞
ラクナ梗塞はごく細い動脈が詰まることで生じる小さな脳梗塞です。症状のないラクナ梗塞は、脳卒中の危険因子です(危険比率3.7倍)。これ自体を治療することはできません。背景に高血圧や動脈硬化など他の病気や喫煙習慣があることがあり、治療可能なものは治療しましょう。病変については、経過観察をおすすめします。
陳旧性出血
古い出血があります。現在は出血が止まっているようです。この病変自体を治療することはできません。原因に関係する生活習慣病やその他の持病(動脈瘤など)や喫煙習慣があれば、主治医ないし専門医療機関とご相談の上、再発予防のための治療を行ってください。
陳旧性脳挫傷
脳に古い傷跡があります。過去の頭部外傷を疑う所見です。現在は落ち着いているようです。この病変自体を治療することはできません。
先天奇形形成異常
脳または血管、その他の構造物の形態が、通常の形態とは異なる形態をしています。機能面では多くの場合問題ありません。