脳MRAについて

脳の血管を立体画像として写し出します。脳梗塞の原因となる脳動脈の狭窄や閉塞、くも膜下出血や脳出血の原因となる脳動脈瘤や血管奇形を発見することができます。

脳底の動脈

主な所見

動脈硬化性変化

動脈に動脈硬化性変化を認めます。著しい狭窄や血流の途絶には至っていません。高血圧や脂質異常症などの生活習慣病や喫煙習慣があれば、治療を行ってください。程度が強くなると、経過観察や精密検査をおすすめします。

狭窄

動脈の断面を半分以上塞ぐ動脈の局所的な狭窄があります。多くの場合は動脈硬化による変化です。脳卒中の危険がある状態です。専門医療機関にて、少なくとも経過観察や治療が必要な状況です。原因に関係する生活習慣病や喫煙・飲酒習慣の治療も必要です。

動脈瘤

経過観察を指示された場合は、微小動脈瘤であるために破裂のリスクが小さい状態と考えられます。増大傾向がないか、定期検診をおすすめします。高血圧や喫煙習慣がある場合は治療をおすすめします。万一拍動性頭痛や激しい頭痛などの症状が出現ないし悪化した際は、直ちに医療機関を受診してください。

漏斗状拡張

動脈の起始部の局所的な拡張で、一見動脈瘤のように見えますが、破裂リスクがほぼないものをいいます。通常は気にする必要がありません。動脈瘤との区別に限界がある場合もあり、経過観察を指示されることもあります。

海綿状血管奇形

海綿状血管奇形は、以前海綿状血管腫と呼ばれた腫瘤状の血管病変で、出血を繰り返して徐々に大きくなり、時に症状(頭痛・けいれん・脳卒中)を呈することがあります。変化を見るために定期検診をおすすめします。

静脈奇形

静脈奇形は、症状を伴わない良性の変化で、通常経過観察も必要ありません。稀に見えない大きさの海綿状血管奇形が合併しており、出血をきたすこともあるため、症状が出現した際は、医療機関を受診してください。