乳房超音波について
超音波で乳がんや乳腺症、腫瘍など、乳腺内の病変を見つける検査です。若い年齢で乳腺の発達している人ではマンモグラフィより異常を発見しやすいとされています。
乳房の断面図
主な所見
乳腺石灰化
乳腺内に石灰化が見られることを示します。良性の場合も悪性の場合もあります。超音波検査はマンモグラフィに比べ、石灰化の描出が弱いため、マンモグラフィによる確認をおすすめすることがあります。
嚢胞
嚢胞は液体が貯まった「ふくろ」のようなもので、乳腺症でよくみられます。1つのこともあれば多発することもあり、大きさも様々です。大きいものでは触診でコリコリとした感じのよく動く腫瘤として触れることもあります。基本的には良性の病変です。
乳腺腫瘤
乳腺内にかたまり状の病変があることを指します。多くの場合が良性ですが、悪性の細胞が混ざっていないことを確認するために、経過観察や精密検査を指示されることがあります。
乳腺症
乳房の生理的変化であり、痛みがひどくなければ治療の必要はありません。しかし、乳腺症になると乳腺がしこり状に硬く触れ、触診による診察だけでは小さながんを見つけることが難しいため、毎月1回の自己検診と共に年1回の画像検査をおすすめします。
乳腺線維腺腫
若い女性に多くみられる良性腫瘍の代表で、触診でコリコリとしてよく動く腫瘤として触れます。大きさ、形などの変化がないかを定期的に観察することをおすすめします。
Attention
超音波・マンモグラフィのそれぞれに発見しやすい病変がありますので、2つの検査を併用することが理想的です。また、乳がんセルフチェックを活用し自己検診を心がけてください。
乳がんセルフチェック
乳がんは自分で発見できる数少ないがんの1つです。セルフチェック(自己検診)を行うことで乳房の変化に気づくことが多いため、月に1回、セルフチェックを習慣づけることをおすすめします。セルフチェックを行う時期は、生理が終わって4〜5日後が最適です。閉経後の方は、毎月、日を決めて行いましょう。
鏡の前で乳房のチェック
鏡の前に立ち、楽な姿勢で両手を下ろし、乳房を観察します。また、両腕を上げたり下げたり、横を向いたりして同様に観察します。
CHECK POINT
- 左右の乳房の形は同じか
- 乳房の向きは同じか
- 乳房にくぼみやひきつれはないか
- 乳頭がへこんだり、ただれがないか
あお向けに寝てしこりのチェック
しこりがないか触ってみます。まず、あお向けに寝てタオルなどを肩の下に入れ、片腕を上げます。反対の手で乳房の外側から中心へ向かって、渦巻きを描くように触ります。親指以外の4本の指の腹で滑らせるように触ってください。また、腕を上げるだけでなく、下げた状態でも調べましょう。
リンパ節のチェック
腋の下の奥に指先を差し入れるようにして、腋の下のリンパ節が腫れていないかどうかを確かめます。
分泌液のチェック
乳輪から乳頭に向けて乳汁を絞るようにつまみ、血液の混じった分泌物が出ないかどうかを確かめます。